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梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2016.02.01(月)

【第49話】
「運動」無関心層には「1日5分」だけ

健康寿命の延伸には、生活習慣病やロコモティブシンドロームの予防が重要です。そのためには、健康づくりに関心の高い一部の住民の方を対象に行うだけではなく、無関心層も含めた地域住民全体の日常の身体活動量を増加させることがカギとなります。

そこで身体活動量の低い無関心層をターゲットにしたポピュレーションアプローチが必要となります。そこで注目したいのが21日の法則です。

これは「なんでも21日間やり続けると習慣になる」というもので、思考が大脳皮質から脳幹まで届く最小限の時間、人間の生体時計が校正されるための時間が21日間である、という理論のようです。

ヒトは同じ行動を繰り返し2週間~4週間程度続けることで、その行動をとるための神経細胞間をつなぐ接合部(シナプス)がつながり、習慣化しやすくなると研究発表されています。(Maxwell Maltz)

そこで1日5分間だけDVDを見るという習慣化にトライしてみましょう。問題は、無関心期の方はたった5分でも実行することに価値を見出していませんのでDVDを手に取るなどという面倒なことはしにくいものです。そこで目的をガラッと変えます。DVDを見せて、せめて5分間でも運動してほしいと願うのは、身内の運動不足を気にする家族です。

しかし身内ほど正論で説得しにくいものはありません。そこで目的を「運動させる」ではなく「一緒にDVDを見る」という風に変えましょう。

このDVDはエクササイズとうたいながらも実は5分の内なんと半分程度は理論の解説です。無関心期の方が運動を実践しないのは、何故この運動が今の自分に必要なのか?これをするとどうなるのか?が不明確だからです。そこをこのDVDでは分かりやすく説明しているので納得させることになるのです。

そのまま動きの解説に移り、そして一緒に動き出します。それもたった2~3分で終わってしまいますのであっという間に運動は終了です。このように、5分間の構成は「①解説②動きの説明③実際に動く」とテンポよく進みあっという間に終了です。

あまりにあっさり終わるため大抵の方は「もう一度見る」もしくは、何も言わなくても物足りないため続けて追加して動いたりします。ここで大事なことは、運動を始めだした当人をひやかさないことです。バツの悪い想いをすると、次に進んだりもっと頑張ろうという意欲が低下してしまいます。黙って見守るとか、褒めるのもよいでしょう。

でも一番効果的なのは質問することです。この動きはどうするのが正しいの?とかどういう意味があった?など聞き、相手に説明を求めるのです。これが続くことで運動について徐々に詳しくなります。尋ねられ教授できる自身を「有能」と感じることができれば徐々にこの感覚を醸成させることです。

一緒に動く「関係性」、教えることができる「有能感」、そこで自分でDVDを再生するようになれば、自分で自分の行動を操作しているという「自律性」がつきます。これらは外部からの説得等なくても自分から楽しいと感じて動き出す「内発的動機付け」の条件であり継続的に自主的に運動を続ける動機につながります。

5分間☓12種類の異なるプログラムで構成されていますので一度ご覧下さい。

DVD「脱!運動不足 1日5分間エクササイズ〜ストレッチ・バランス・筋トレ〜」 http://www.totalfit.co.jp/item/index.html




梅田陽子





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