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梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2014.05.10(土)

【第34話】
産業メンタルヘルス対応
待望のNEWプログラムが完成!
速報②プレゼンティズムとは?

エクササイズで生産性(プレゼンティズム)改善というこのプログラムですが、そもそもプレゼンティズムって何でしょうか?

働く私たちが健康を害すると、自宅での休養だけでは足りず、治療が必要となり通院や入院といった状態になることがあります。仕事を休むことで作業の進捗や時には人間関係にも支障が出るなど望まない事態となるほか、企業側としても労働力の欠如は、業務に支障を及ぼし生産性の低下の原因となります。

このように個人が体調不良などによりたびたび欠勤する状態をアブセンティズム(absenteeism)と呼ばれています。その対比語として、出勤はしているが健康上の問題で労働に支障をきたし最善の業務ができなくなる状態をプレゼンティズム(presenteeism)と呼ばれるようになりました。

平成25年4月から5年計画で始まった「第12次労働災害防止計画」では、健康確保・職業性疾病対策として、メンタルヘルス、過重労働、腰痛・熱中症、(他化学物質や受動喫煙)対策が上げられています。このように近年、健康障害がおこり業務遂行能力が低下することが問題視されています。

では、労働生産性に影響するのは、どのような健康問題でしょうか。米国の報告では、アレルギー、関節痛、心臓病という調査報告があるようです。また8割を男性が占める日本の会社の報告では、仕事の生産性に影響を与えたと自覚する有訴率と欠勤の総計は、アレルギー、腰痛首の不調、うつ病不安または情緒不安定の順でした。

ちなみに日本の現状を「平成22年 国民生活基礎調査の概況」の「世帯員の健康状況・病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)」で確認したところ、20代から50代までの男性は、1位から、腰痛、肩こり、体がだるい、鼻が詰まる、せきたん、頭痛の順でした、女性は、男性の1位と2位が入れ替わり、1位肩こり、2位、3位以降は同じでした。日本の働き盛りの年齢層は、筋骨格系の悩みが多い様です。

平成22年 国民生活基礎調査の概況より梅田作成
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/dl/tp140324-01.pdf

さて、そこで今回開発したNEWプログラムですが、目的は「自分で自分の不調に気づきケアをすることでメンタルヘルス不全を未然に防止する」というメンタルヘルスの1次予防です。

しかし、心の不調を早い段階で気づくことは大変難しいと誰もが感じることでしょう。逆に「気にしない」とか「早く忘れる」ことが望まれるほどですが、ここで気づくと気にするとは異なることに気づいていただきたいと思います。神経質になるのではなく、からだの声に耳を傾ける少しのゆとりは、「気づいて対処する」健康維持行動を生むためにとても重要なことなのです。

心のサインが胃腸炎や眠られないなどのからだのサインとしてあらわれることは周知のとおりです。そこで、NEWプログラムでは、肩こり、腰痛、頭痛や目の疲れなど、多くの働き盛りの方が訴える症状にポイントを絞り、それを改善するエクササイズを重点的に導入しています。仕事で疲れたからだのサインに気づき、それに対処することでセルフケアを行い、メンタル不調を未然に防げるようプログラミングされています。

次回はここにさらに心のケアにも置かれたポイントをご説明しましょう。




梅田 陽子





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