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梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2008.12.01(月)

【第2話】
頑張る意欲

健康指導に携わる専門家の皆様が「わたし痩せられないんです」を前にした時、「食べていないのに太る」と言われると、いやどこかできっと食べているはずだ・・・と心の底で疑ったことはありませんか?そして間食を見つけ出そうと質問攻めにしたことはありませんか? それが見つからないときは「食べていないのかもしれませんが、それ以上に動いていないから太るんです。」と正論をたてにして説明したことはありませんか?

それでも相手は「いいえ!絶対食べていません」と強く訴えて来られたらどうなるでしょう。

ヒートアップしてしまうと「野菜はいくら食べてもいいって言ったじゃないですか!」「いいえ。かぼちゃはクリームスープにしたら200kcalになります。ドレッシングはノンオイルにすべきですし、しゃぶしゃぶのつけダレがゴマなら鍋の意味ないです。」と肥満の問題を双方で解決しているはずが、どちらの言い分が正しいかが論点になり収拾がつかなくなってしまいます。

専門家の知識力に次第に相手の口数は減り、「分かりましたか?」とダメ押しのせりふで納得させられた相手は「分かりました」と返答する。その時、表情はにこやかでしょうか。これから頑張っていこうと思っているでしょうか? 「こんなに歩いているんです。買うのは野菜ばっかりなんです!」と私は頑張っている!と主張しているときのほうがよっぽど意欲的ではないでしょうか?つい先ほどまであったこの意欲を、ど~んと下げてしまったのは誰でしょう?

指導側に訴えると言うことは、自分を「よくやっている・努力している」と捉えそれを認めて欲しいと願っています。認めてもらうことで自尊心が高まり頑張る意欲が更にわくからです。しかし、出来ていないことに焦点をあてられると「ダメな自分」がクローズアップし途端に自尊心は低下します。落ち込んでヤル気が萎えてしまうのです。

また他の考え方もあります。相手がもしにっこり笑って「分かりました頑張ります」と言ったとしても、几帳面でまじめな性格であれば「もっと頑張らねばならない」方向へ後押しした結果となり、それは完ぺき主義の過剰な増幅を招く可能性があります。人は、権利者(先生や指導者)に認められたいと願う傾向にあるので、本人の健康のために努めているはずの行為がいつの間にか指導者に認められるための行為へと進むことがあるのです。

「食べていないのに太る」との言葉の背景には、痩せられない自分には何かが足りないことくらいは分かっている。ちょっと根気がなかったり意欲が足りないことくらい分かっている。 ただ指導側からも「こんなに頑張っているのに痩せないのはおかしいね」と一緒に言ってほしい!どうしてなかなか減らないんだろう、と気になっている心の横に寄り添って欲しい。そして同じように悩んで欲しい。ただそれだけではないでしょうか?

「う~ん。どうしようねえ~」と一緒にため息ついてから・・・・・・。専門家の解説はその後でも十分だと思うのです。


梅田 陽子



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