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梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2009.07.01(水)

【第6話】
感覚トレーニング

「図書カードをお預かりしています」とさっきまでいた図書館からメールが届いた。

自動貸出機が最後に「はいどうぞ(とは言わないが)」と差し出すのは知っている、 忘れかけたことがあるので注意していた、つもりだった。「来週に受け取りに参ります ので保管をお願いします」と返信して終了。電話のあと、さっきまで持っていた書類が どこへ行ったか分からない。

探しまわり人にも手伝わせ、いや余りにも騒ぐので早く静かにさせるためには一緒に探す ほうがよいと周りは知って手伝ってくれる。ようやく見つかっても「何故こんな所にある のだ」と自分しか置かないくせに文句を言う。

今日は木曜日、さあ図書館へ「ない?!」カードがないと入場できない。引き返して荷物を 捜してもないので、泣く泣く再発行の書面を出したら「ここにありますよ!」と明るい返事に 先週メールを送ったことを思い出した。とりあえず今日は本、借りるのやめておこう。

この書類だけは本当に大事だから、これだけはとにかく注意しよう!と大事にし過ぎてどこに しまい込んだか分からない。適当に扱っているものはいつもチラチラ目の前にあるのに、 ないと困るものは直ぐに姿を消す。

物事に偶然はなく、どれも必然である。「出来事には意味がある」と言う話はかなりストンと 自分に落ちている。それは脳ミソにへばりついて離れない悩みの答えだったりするから面白い。 だから、起きたことはネガティブであればあるほど、その意味を考える。

大事だと思っているものは、本当はそんなに大事ではないのかもしれない。ただ、置いておかないと 不安だけなのかもしれない。そんなに大事なら、目の届くいつも見えて確認できる所に置いておけばいい。 人生しまい込むほどの宝物はそんなにたくさんあるものではないだろうし。それに手に入ったときは 大事に思っていたかもしれないけれど、大掃除で見つけて「ポイッ」と捨てても何とも思わないこともあるし。 時がたてば自分も変わるし、もしかしたらそのモノも自立したりなんかして・・・・ あっちもこっちをどうでもいいと思っているからどこかへ行ってしまうのかもしれない。

記憶力のすばらしい人がいる。覚えておこうと思わなくてもkeyword別に脳に入っていて、一つ引っかかったら 芋づる式にたぐり寄せるようにどんどん出てくる。例えば引き出しの右端にはさみを入れているのは 分かっているけれど、その他は意識して見ていない。でも引き出し全部が写真のワンショットのように 入っていると、確か消しゴムは左にあった、と出てくる。この場合条件がある。ワンショットに収まるように 引き出しが片付いていること。この能力を養うには「感覚トレーニング」がいいらしい。そう脳トレ。 一つ一つを見るのではなく、全部を見る。例えば道案内を文字で書かずに地図で書くとか。 そして、五感で味わい心を動かすことも大事。

私の忘れ物事件は、一点集中思い込みの激しい時、そしてゆとりのない焦っている日に起こる。



梅田 陽子



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